21世紀COEプログラム・ゲノム科学の知的情報基盤・研究拠点形成

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 教育への取り組み [ English | Japanese ]

    バイオインフォマティクス教育
    〜高度専門教育と副専攻教育〜


     バイオインフォマティクス分野で期待される研究人材には大きく2つのタイプがある。1つは新しい情報技術の開発や高度な情報解析を行うことのできる人材を養成する専門家教育、もう1つは実験系の生命科学研究者に情報科学のセンスを与える非専門家教育である。短期的には、あるいは即戦力としては、後者のタイプのトレーニングに社会的ニーズが高いように思われるが、外国製のツールやデータベースをうまく使いこなす人材がいくら育ったとしても、常に外国の後追いの状況から逃れることはできない。長期的な、あるいは国際競争力の観点からは、前者のタイプの教育が不可欠であり、後者においても生命システムの概念に対する理解を深める必要がある。これは本拠点の基本的な考え方、すなわちバイオインフォマティクスとは、単に生命科学の大量データと情報科学の実用的ツールとの融合ではなく、生命を複雑な情報システムとして理解する学問分野の融合であるとの考え方に沿うものである。


    1. 高度なバイオインフォマティクス専門教育の国際化
    (バイオインフォマティクスセンター)

     化学研究所バイオインフォマティクスセンターは東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターと共同で、科学技術振興調整費バイオインフォマティクス人材養成プログラム「ゲノム情報科学研究教育機構」を実施している。とくに日本バイオインフォマティクス学会が策定した教育カリキュラムに基く大学院講義を、京都・東京間のテレビ会議システムを用いて行っている。本拠点形成プログラムではこの人材養成プログラムと連携し、また米国ボストン大学およびドイツのフンボルト大学と連携して、国際的な活躍を期待できる高度なバイオインフォマティクス専門家の育成を行っている。

    カリキュラム1

    2. バイオインフォマティクス副専攻教育(薬学研究科)
     ゲノム研究やポストゲノム研究、また近年のケミカルゲノム研究が創薬科学に与えたインパクトは非常に大きい。歴史的に様々な分野を融合してきた総合科学としての薬学において、情報科学を取り入れた薬学教育を行い、21世紀の新たな展開をはかる必要があることは自明のことであろう。本拠点形成プログラムによる薬学教育の改革の1つは、薬学研究科博士課程にバイオインフォマティクス副専攻コースを設置したことである。上記人材養成プログラムの講義はテレビ会議システムで薬学研究科へも配信されており、その一部を受講することで単位認定を行っている。


講義室の様子
テレビ会議システムを使った講義の様子
    3. バイオインフォマティクス基礎教育(薬学部)
     薬学教育の改革のもう1つは学部教育カリキュラムである。「基礎バイオインフォマティクス」と「応用バイオインフォマティクス」の2科目を新設し、既存科目の「基礎情報処理」、「基礎情報処理演習」、「バイオサイエンス統計基礎」や学生実習の見直しを行い、2回生から4回生まで基礎的なバイオインフォマティクスを段階的に身につけることができるようにした。これは薬学部としてはわが国でははじめての試みである。
演習室の様子
パソコンを使用した実習性の高い演習

薬学部カリキュラム

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