京都大学 大学院
薬学研究科創薬科学専攻
教授

藤井　信孝

　ゲノム科学(ゲノミクス／プロテオミクス／遺伝子多型解析／バイオインフォーマティクス)の進展に伴い、近未来において創薬標的の指数関数的な増大が確実に予測されますが、 創薬リードの創出法の学術基盤は旧態依然の試行錯誤の域を出ていません。この閉塞状況を打破するためには、創薬の革新的方法論の創成が必要不可欠です。
　本プロジェクトにおいては有機化学を基盤とした蛋白質間の動的超分子機構解析および膜物理化学研究を基盤としてゲノムワイドな包括的機能ゲノミクス研究との統合の上に、“ポストゲノム創薬研究”のボトルネックになっている学問的脆弱性を克服して新たな創薬科学の新機軸を確立することを目的とした研究・教育を実施します。
　具体的には、当研究分野において長年研究を積み重ねてきた CXCR4-ケモカイン受容体を素材として方法論の妥当性を検証しつつ、下記の重点項目に対して研究を推進し、 有機化学(有機金属化学)、物理化学、ゲノム科学、蛋白質化学を基盤とする革新的かつ普遍的な「ゲノム情報収斂型知的創薬プラットフォーム」の学術基盤の創成を指向します。