Kyoto University 21st Century COE Program Genome Science 21世紀COEプログラム「ゲノム科学の知的情報基盤・研究拠点形成」
   ホーム   概要   組織   研究   教育   活動   アーカイブ


金久 實
藤 博幸
Prof. KAWASAKI
加藤 博章
大高 章
京都大学 大学院
薬学研究科生命薬科学専攻
教授
川嵜 敏祐

 本分野では、タンパク質、核酸と並ぶ普遍的な生体成分でありながら研究の遅れていた糖鎖の機能を明らかにしている。

1. 糖鎖シグナルを介する生体防御メカニズムの解明

 微生物から高等動物まで細胞の表面は糖鎖で覆われているが、これらの糖鎖が自己と非自己を区別する標的分子として働いている。 マンノース・N -アセチルグルコサミンに特異的なレクチンを発見し、これをマンナン結合タンパク質(MBP)と名付けた。MBPは、補体系を活性化することを 明らかにした(レクチン経路)。また、MBPはガン細胞増殖作用を持つことを見い出した。(右図)

MBP遺伝子投与によるがん組織の退縮
ヒト結腸がん由来細胞SW1116を移植した胆癌ヌードマウスに対し、A) 正常MBP遺伝子、B) Asp54Gly(G54D)変異体MBP遺伝子、C) コントロールベクターウイルス、D) 生理食塩水を投与。 ウイルス投与4週間後の写真。背部にみられるこぶ状のふくらみががん組織である。


2. 神経 ネットワーク形成における糖鎖シグナルの役割の解明

HNK-1糖鎖欠損に伴い神経細胞の可塑性の指標である長期増強(LTP)に異常があること、水迷路における記憶学習能力に障害があることなどが明らかとなった。


平成16年度|平成15年度|