1. 糖鎖シグナルを介する生体防御メカニズムの解明
微生物から高等動物まで細胞の表面は糖鎖で覆われているが、これらの糖鎖が自己と非自己を区別する標的分子として働いている。
マンノース・N -アセチルグルコサミンに特異的なレクチンを発見し、これをマンナン結合タンパク質(MBP)と名付けた。MBPは、補体系を活性化することを
明らかにした(レクチン経路)。また、MBPはガン細胞増殖作用を持つことを見い出した。(右図)
MBP遺伝子投与によるがん組織の退縮
ヒト結腸がん由来細胞SW1116を移植した胆癌ヌードマウスに対し、A) 正常MBP遺伝子、B) Asp54Gly(G54D)変異体MBP遺伝子、C) コントロールベクターウイルス、D) 生理食塩水を投与。
ウイルス投与4週間後の写真。背部にみられるこぶ状のふくらみががん組織である。 |