ゲノム情報科学研究教育機構
  留学体験記(平成16年度)
ボストン大学 佐藤 哲也
 2004年6月から3ヶ月間、交換留学生二期生としてボストン大学へ行ってきました。二期生ともなると、食事処、交通機関のシステムなど、ボストンで“生きていく”ために必要な情報は一期生によって豊富に蓄えられていました。さらに幸運なことに、当センターのスタッフが下宿先を見つけてくれるなど、一期生よりもかなり恵まれた条件で出国することができました。

 留学期間中、ボストンではちょうど民主党大会が行われていました。4年に一度のアメリカ大統領選挙の年ということもあって、ケリー候補の政治活動地盤であるボストンの町中が浮き足立っていました。ボストンで有名なものの一つにクラムチャウダーがあります。ケリー陣営は大統領選の直前に、縁起担ぎのためにクラムチャウダーを食べて、それから当日の選挙に備えるそうです。少しでもボストンの文化を肌で感じようと、クラムチャウダーを味わいつつ、大統領選で熱気溢れる町をよく歩き回ったものです。

 ボストン大学では、デリシ研究室に所属しました。この研究室には、過去に2名の一期生が配属されていたこともあって、デリシ研究室の学生やスタッフは、手際よく研究環境を整えてくれました。デリシ研究室に所属していて最も刺激的な出来事は、週に一度ひらかれる研究ミーティングでした。ミーティングは1時間ほど行なわれ、毎回その内容は異なります。ある時は最近の研究状況を一人一人が説明し、ある時は最近発表された論文を紹介し、ある時はデリシ先生自ら研究のアイデアを説明して学生やスタッフに指示を与えていました。ミーティング中は、デリシ先生、研究室スタッフおよび学生の間で議論が絶え間なく飛び交っていました。ときには、デリシ先生が学生やスタッフに名指しで議論を吹っかけたり、いいアイデアがあるかとみんなに問いかけたりしていました。とにかく毎回のミーティングは熱い意見や主張が交わされていました。そんな中、私はみんながどんな議論をしているのか、必死に聞き耳を立てることで精一杯で、議論に参加できるほどの英語力や専門知識は兼ね備えていませんでした。しかし、このようなミーティングに参加できたことは私のかけがいのない財産となっています。

 最後になりましたが、このような経験の機会を与えていただきました、金久先生、ボストン大学デリシ先生、藤先生ならびにバイオインフォマティクスセンターの方々には心から感謝します。

  熱気溢れる民主党大会の様子。
留学生活は、研究の面からだけではなく、町から受ける刺激も多かった。