バイオインフォマティクスセンターロゴ 京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター
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 概要  
 
 沿革
京都大学化学研究所は化学を中心に物理学から生物学まで広範な領域を網羅し、学際的研究の発展と先端科学技術の発展に大きく貢献してきました。とくに生命科学と情報科学の融合領域として1985年に生理機能設計研究部門(金久研究室)を新設し、計算機科学の方法を分子生物学に適用して、DNAやタンパク質の配列・構造情報から生命現象に係わる高次な機能情報を探り出す研究を開始しました。1991年度にはスーパーコンピューターシステムを導入し、また同年度に発足した文部省ヒト・ゲノムプログラムの中で化学研究所はゲノム情報科学研究の拠点地となり、その成果をゲノムネットと名付けた情報サービスとして提供することで国際的な地位を確立しました。ゲノム研究の進展とともに、生命科学と情報科学の融合領域はバイオインフォマティクスと呼ばれるようになり、生命の原理を明らかにする基礎研究においても、また新産業の創出を目指した応用研究においても、重要な学問分野へと発展しつつありました。化学研究所では、それまで行ってきた活動をさらに発展させ、ゲノムから高次生命システムの機能と有用性を見いだす情報技術を開発し、我が国の経済の発展と社会の福祉に貢献することを目的として、2001年度に附属バイオインフォマティクスセンターを新設しました。センター設置後10年が経過し、ハイスループット実験技術のさらなる進歩に伴い、様々なタイプのデータを統合的に処理し生物学的意味を解釈する情報技術が必要となっています。化学研究所は2010年度より共同利用・共同研究拠点の認定を受け、「化学関連分野の深化・連携を基軸とする先端・学際研究拠点」の活動を開始しました。バイオインフォマティクスセンターは今後とも化学研究所の附属施設として、化学関連分野への展開を軸に新しいライフサイエンス研究を支える情報技術の開発と普及、国際的な共同研究・教育体制の整備、ゲノムネット事業と社会との接点の観点から、2011年度に改組を行いました。
 研究グループ
バイオインフォマティクスセンターは3つの研究室とKEGGデータベース開発グループから構成されています。



本センターでは以下に示したように国際共同研究や国際連携教育といった国際協力を積極的に推進しています。
 研究
バイオインフォマティクス(生命情報学)は、ゲノム研究とともに始まり発展してきた生命科学の新しい研究分野です。ヒトゲノムプロジェクト終了後も、数多くの生物種においてゲノムの全塩基配列(A, C, G, T の並び)が続々と決定されています。同時に新しい実験技術に基づき、DNA、RNA、タンパク質、糖鎖、代謝物、その他の化合物などに関する大量かつ多様なデータが蓄積されつつあります。これら分子レベルのデータから高次生命システムのはたらきや有用性を解読するには、実験技術と相補的な情報技術の開発が必要です。京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンターでは、データベース、アルゴリズム、データマイニングに重点を置きつつ、新しい情報技術開発とそれに基づく生物学研究を行っています。
 教育

大学院入試情報

化学研究所は研究分野が多岐にわたることから、京都大学の多くの研究科の協力講座として大学院教育に関与しています。バイオインフォマティクスセンターに所属する各研究室へは京都大学大学院の理学研究科、情報学研究科、薬学研究科のいずれかの研究科を通して入学することができます。受験を考えている方は、研究内容紹介・受験相談を兼ねた見学が可能ですのでぜひ一度お問い合わせください。

教育に関する独自の取り組みとしては、これまで科学技術振興調整費人材養成プログラム(2002〜2006年度)を東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターと連携して実施し、また京都大学薬学研究科と連携して21世紀COEプログラム(2003〜2007年度)を実施しました。前者では日本バイオインフォマティクス学会策定の教育カリキュラムに基づく高度専門教育を行い、同時にその経験を学会カリキュラムの改訂版に反映して教育システムの改革に貢献しました。後者では、とくに実験系の生命科学研究者・技術者にバイオインフォマティクスの素養を与える副専攻教育を行い、その成果として2007年度に薬学研究科医薬創成情報科学専攻が新設されました。2003年に開始した米国のボストン大学およびドイツのフンボルト大学との国際連携教育では、大学院生に3ヶ月間の海外インターンシップを経験させ、学生発表を中心としたIBSB国際ワークショップを毎年共同開催しています。2009年度以降は日本学術振興会の若手研究者インターナショナル・トレーニングプログラムに採択されたことにより、米国、ドイツに加え、フランス、スウェーデンとの連携教育も実施していました。
 事業
京都大学化学研究所は、文部省ヒトゲノムプログラムが発足した1991年度にスーパーコンピューターシステムを導入し、国際的なバイオ情報サービスであるゲノムネットの開発と運用を行ってきました。急増するゲノムの情報をライフサイエンスの広範な知識と統合した情報基盤である KEGG を中心に、ゲノム解読の最先端リソースを提供しています。2011年度の改組ではバイオインフォマティクスセンターに「ゲノムネット推進室」を設置し、ゲノムネットサービスを継続的に維持・発展できる体制作りを行いました。
創設者
バイオインフォマティクスセンターの創設者であり、初代センター長の金久實教授(京都大学名誉教授、京都大学特任教授)が2018年の「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」を受賞しました。これまでこの賞に選ばれた世界の300人の研究者のうち46人がノーベル賞を受賞しています。金久教授は日本人としては26人目の受賞者となります。

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