21世紀COEプログラム・ゲノム科学の知的情報基盤・研究拠点形成

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 拠点形成の概要 〜はじめに〜 [ English | Japanese ]
   拠点リーダー:金久 實
    (京都大学化学研究所 バイオインフォマティクスセンター)
  金久 實
     ゲノム科学は、ゲノムの情報から細胞・個体・生態系レベルでの高次生命現象の全体像を明らかにしていく、 21世紀の新しい生命科学です。その中核となるのがバイオインフォマティクスで、個々の部品(遺伝子・分子)の集まりから生命の情報システムを再構築する概念と方法論が開発されてきました。これからのゲノム科学においては、とくに医療や産業への応用を目指したゲノム科学においては、個体や生態系を複雑な情報システムとしてとらえ、システムと環境との相互作用の観点から、ヒトの健康や地球環境の保全を考えていく必要があります。

     本拠点ではそのために、ゲノム情報だけでなくケミカル情報の重要性を考慮し、従来からのゲノム情報の系統的解析(薬理ゲノミクス)に加えて、ケミカル情報の系統的解析(ケモゲノミクス)、およびゲノム情報とケミカル情報の関連解析(環境ゲノミクス)の方法論を開拓し、これら3つの先端研究領域を横断的につないだ研究拠点作りを行っています。同時に、バイオインフォマティクスの高度専門教育と副専攻教育、KEGGを中心とした知識集約型データベース構築による国際的な情報基盤整備を行っています 。

     本拠点は、京都大学の宇治キャンパスにある化学研究所バイオインフォマティクスセンターと、吉田キャンパスにある薬学研究科医学部附属病院薬剤部が連携したプログラムです。創薬ターゲットと創薬リードの探索に新しい方法論を必要としている創薬科学は、ゲノムとケミストリーを融合したバイオインフォマティクスが最も有効な分野です。一方では、そのようなバイオインフォマティクスは、生命システムとケミカル環境との相互作用を解析する一般的な方法論でもあります。基盤となる創薬科学からより学際的な方向に発展することによって、世界水準の COEとしての長期的な維持・強化に加え、バイオインフォマティクスにおける層の厚い人材養成が可能になると考えています。
目的図

  • ゲノムの情報から生命システムのはたらきと有用性を見いだすバイオインフォマティクス技術の実用化
  • 生命システムと環境との相互作用を解析するケミカルゲノミクス研究の推進
  • ゲノムとケミストリーの融合による新たな知的情報基盤形成
  • 京都大学におけるバイオインフォマティクス教育研究拠点形成